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葬儀を手伝ってくれた方へのお礼相場やマナーは?メール例文も紹介

香典

葬儀を行った際に、どのような人にお礼を渡すべきか悩む方は多いのではないでしょうか。また、渡す際にもどの程度の金額で、いつ渡せば良いのかなかなか分かりにくいものです。

今回の記事では、葬儀を手伝ってくれた方へのお礼相場やマナーを解説しています。お礼状を書く際のマナーや例文、メールでお礼を送る場合のマナーや例文も紹介しているため参考にしてみてください。

葬儀のお礼は誰に渡す?

葬儀を手伝ってくれた方へお礼が必要であり、一般的には次の係を担ってくれた方へお礼をすることになります。

  • 受付係
  • 会計係
  • 案内係
  • 駐車場係
  • 献茶係
  • クローク係
  • 世話役代表

それぞれがどのような役割で葬儀に関わるのかを、まずは解説します。

受付係

葬儀の受付係は、参列者や弔問客を迎える役割を担います。葬儀社に依頼するのではなく、喪主側で周りに依頼することが多いです。

受付係は、芳名帳への記帳受付や香典の受け取りなどが主な役割です。参列者の名前を確認し、香典を受け取ったり、金銭を管理したりする役割を果たします。

会計係

葬儀の会計係は、受付で預かった香典などの現金を管理・集計する役割を担当します。管理するのは、参列者から受け取った香典や供物です。

受付係が兼務する場合もあれば、別で依頼される場合もあります。規模が小さい葬儀の場合、喪主自身が会計係の役割を兼ねることも一般的です。

案内係

葬儀の案内係は、最寄り駅などから式場までの道案内や、葬儀前後の参列客誘導が主な役割です。参列者が葬儀会場へ問題なく到達できるように案内し、葬儀の進行や儀式に参加する際に必要な情報を提供します。

規模が大きい葬儀などでは、多くの参列者が集まるため混乱を生じさせないためにも、案内係は重要な役割を果たします。

駐車場係

葬儀の駐車場係は、車で来場した弔問客を誘導し、駐車場に案内します。また、駐車場で待機し、駐車場所を指示したり、最寄り交差点で駐車場の場所自体を誘導したりします。これにより、参列者は簡単に駐車場を見つけ、無駄な時間や混乱を避けられるでしょう。

さらに、遅れてくる人を駐車場で待っているのも駐車場係の仕事の一環です。

献茶係

葬儀の献茶係は「献茶さん」と呼ばれることもあります。主にご遺族、ご親族、お寺様などの要人を接待する役割です。

献茶係はお茶やおしぼりの配布、参列者の案内、そして宗教用具の用意やお寺様のお着替えの手伝いなど、多岐にわたる仕事をこなさなければなりません。

クローク係

葬儀のクローク係は、葬儀会場で参列者や一般会葬者の荷物を預かる役割です。葬儀終了後に荷物を返却しなければいけないため、荷物を預かる際には一般的にタグを付けて管理します。

クローク係は比較的規模が大きい葬儀や多くの参列者が予想される場合に用意されることが多いです。大規模な葬儀では、多くの参列者がコート、帽子、バッグなどを預ける必要があり、その管理が必要となります。

世話役代表

葬儀の世話役代表は、葬儀の全体的な進行を指揮し、世話役総代とも呼ばれます。世話役代表は葬儀の中心的な指導者であり、儀式や儀礼の順序、参列者への誘導、葬儀関連のスケジュール管理などを総合的に担当しなければいけません。

葬儀全体が滞りなく行われるための重要なポジションです。世話役代表の組織力とリーダーシップにより、葬儀の円滑な進行が確保され、参列者にとって感じの良い葬儀が実現されるでしょう。

他の葬儀手伝いと比較して、世話役代表に対するお礼の相場は高い傾向があります。世話役代表の責任は大きく、葬儀の成功に多大な貢献をするため、感謝の意を表すことが一般的です。

葬儀お礼のマナー

手を合わせる

葬儀のお礼を渡す場合のマナーを解説します。どの程度の金額を渡せばよいのか、そのお礼はいつまでに渡せばよいのかを把握しておきましょう。

お礼相場

葬儀手伝いへのお礼相場は一般的にお金を渡すことで誠意を表すことが通例です。ここでは一般的なお礼相場の目安を紹介しますが、地域の風習や宗教によって異なるため、事前に親戚や知り合いと相談して適切な金額を決めると良いでしょう。

世話役代表へは1万円から3万円程度のお礼が一般的です。世話役代表は葬儀の主要な役割を担い、責任が大きい立場のため、相応のお礼になります。

受付係、案内係などは、一般的には3000円から5000円程度が相場です。親戚に対しては、お礼として一般的に3,000円程度が渡されます。一方で友人や知り合いには5000円程度が渡されます。特に親しい関係や長い付き合いがある場合、金額を上乗せしても問題ありません。

お礼はいつ渡すべきか

世話役代表には、葬儀終了後、翌日または翌々日までには遅くてもお礼を渡すようにしましょう。事前に連絡をとり訪問することを伝えておくと、相手の都合に合わせて受け取ってもらえます。

服装は、以前は喪服が主流でした。ただし、最近ではダークカラーのスーツと地味な色のネクタイなどのフォーマルな服装で伺うことが一般的です。お礼を言葉で述べ、お礼のお金や品物を渡します。感謝の意を表現しましょう。

その他手伝ってくれた方々にも、基本的には翌々日までにはお礼を渡します。事情があったり都合がつかなかったりする場合でも、遅くても初七日までにはお礼を伺うようにしましょう。感謝の気持ちを示すことが重要です。

添える言葉

お礼状を渡す際に添える言葉は感謝の気持ちを込めて述べることが重要となります。お礼状は感謝の気持ちを率直に表現する場です。心からの感謝の言葉を使いましょう。

まず、葬儀の直前には挨拶を兼ねてお礼の言葉を述べます。例えば、「この度はお忙しい中、受付を引き受けてくださり、本当にありがとうございます。」など具体的な言葉で感謝を表現しましょう。

また、葬儀後にもお礼の言葉を忘れずに述べます。さらに後日、お金や品物を渡す際にもお礼の言葉を添えましょう。お礼を述べる際の服装にも注意を払い、カジュアルすぎず、フォーマルな服装を心掛けることが重要です。

物で贈る場合

葬儀を手伝ってくれた方へのお礼を物で贈る際、お菓子、コーヒー、紅茶などの食品や飲料は、昔から一般的に選ばれています。これらは幅広い年齢層に喜ばれる贈り物です。

「海苔」「タオル」「洗剤」などの香典返しアイテムもよく使用されます。これらは生活に役立つ日用品で、多くの人に喜ばれることが多いです。

最近は、カタログギフトを選ぶ人も増えてきました。カタログギフトは金額が指定でき、受け取った側が好きな物を選べるため、多くの種類のアイテムや体験を選べます。カタログギフトは選択肢が広く、受け取る側にとって便利です。

葬儀のお礼を物で贈る際、相手の好みやニーズを考慮し、感謝の気持ちを伝えるアイテムを選ぶことが大切となるでしょう。また、贈り物を選ぶ前に、地域や文化的な習慣、個別の関係性に配慮することも重要です。

お礼状のマナー

お礼状のマナーとして気を付けるポイントは次の点です。

  • 句読点や重ね言葉は使わない
  • 縦書きで書く
  • 熨斗を付ける
  • 地域の習慣を意識する

また、お礼状を添える場合の例文も紹介するので、参考にしてみてください。

句読点や重ね言葉は使わない

葬儀のお礼状では、通常、句読点を使用しないマナーが一般的です。これは、葬儀が滞りなく進行するように、文章を途切れさせないことが由来とされています。

また、葬儀のお礼状では、「わざわざ」や「さまざま」などの重ね言葉を避けることが推奨されます。これらの言葉は不幸を連想させる言葉とされ、葬儀の場に適切ではありません。

縦書きで書く

お礼状を縦書きで書くことは、日本の文書作成のマナーとして知られています。日本の伝統的な文書や公的な文書は一般的に縦書きです。これは、かしこまった場で使用される文書では縦書きが好まれる風習があるためです。

昔からお礼状は縦書きで書かれており、これは毛筆書きの名残ともされています。伝統的な書き方を守ることは文化的な尊重の表れにもなります。

葬儀には年配の方々も多く出席することが一般的であり、彼らにとって縦書きは慣れ親しんだ形式です。縦書きを採用することは、彼らに対しても失礼のないようにするための配慮となります。

熨斗を付ける

お礼状と一緒に物を贈る場合に熨斗を付けることは、マナーの1つです。熨斗は包装紙に巻かれ、包みを引く際に目立つ位置に配置されます。

「黒白結び切り」または「黄白結び切り」など、遺族に対して失礼のない熨斗を選びましょう。上側に「御礼」と記載し、下側には「葬家の名字」を記入します。

贈り物を直接手渡す場合には、お礼状は不要です。一方で、郵送で贈る場合は熨斗を付けてお礼状を添えるのが一般的です。

地域の習慣を意識する

地域ごとにお礼状の書き方やお礼の方法が異なります。例えば、お礼状を使わずに金額でお礼を示すことが一般的な地域もあれば、お礼状を重要視する地域もあるでしょう。

どのような慣習がその地域にあるのかを、周囲の人に事前に確認しておくことが重要なポイントです。失礼を避け、感謝の気持ちを適切に表現するために必要な調査となります。

葬儀社やお寺の関係者に質問することも有効な手段です。また、自治会や地域のコミュニティに尋ねることも、地域独自の習慣やマナーを理解する手助けになるでしょう。

例文紹介

以下はお礼状の例文の一例です。

拝啓

故〇〇の葬儀において 心温かいお手伝いをしていただき 誠にありがとうございました

葬儀の受付係として 参列者や弔問客の応対 香典の受け取り 案内など多くの重要な役割を果たしていただき葬儀が滞りなく進行するお手伝いをしていただきました

この大切な時に 私たちを支え助けていただき 本当にありがとうございました あなたのおかげで故〇〇の葬儀が温かく 尊いものとなりました

略儀ながら 書中にて御礼のご挨拶とさせていただきます あなたの優しさと協力に深く感謝申し上げます

敬具

令和〇年×月△日

(差出人の住所)

喪主 〇〇(喪主の名前)

メールで送る場合のマナー

メールで送る場合のマナーは次の4つです。

  • 早めに送る
  • 略式のお詫び
  • 忌み言葉や重ね言葉を使用しない
  • 句読点を打たない

メールでお礼状を送ること自体が問題ないかどうかも解説します。また、例文を紹介しているため参考にしてみてください。

メールでお礼状を送るのは問題ない?

直接対面してお礼を述べるのがもっとも礼儀正しい方法です。ただし、遠方に住む場合や特別な理由がある場合は、メールを活用することが許容されることもあるでしょう。

お礼状は一般的に略式の手段とされており、メールもその1つです。ただし、その略式の中でも配慮と感謝の気持ちを表現することが大切です。

相手との関係性によって、メールでのお礼が適切かどうかが変わります。親しい間柄やビジネス関係の場合、メールでもあまり問題はないでしょう。

ただし、年配の方や礼儀を重んじている人々に対しては、伝統的なお礼状を選ぶ方が無難です。紙媒体のお礼状がより尊重されることがあります。

早めに送る

お礼状は、葬儀後の感謝の気持ちを早めに伝えることが重要です。遅くても葬儀後1週間以内には送るようにしましょう。

葬儀後は多くの手続きや対応が必要となり、メールを送るのを忘れがちです。感謝の気持ちを伝えるタイミングを逃さないよう、適切な時期に送ることが大切となります。

カレンダーの通知機能などを活用して、お礼状を送ることを忘れないように対処することが有効な手段となります。早めの対処で、適切な感謝のタイミングを逃さないようにしましょう。

略式のお詫び

メールは通常、直接の対面でないため略式の扱いとなります。メールの本文で、お礼状が略式であることをお詫びする表現を入れることがマナーの1つです。

メールでお礼状を送る場合、基本的には親しい間柄に対して使用されます。固すぎない文章で、相手に対する感謝の気持ちを丁寧に表現することがポイントです。

忌み言葉や重ね言葉を使用しない

お礼状同様に忌み言葉や重ね言葉の使用は避けましょう。メール内の本文でも表現に気を付けて失礼のないようにする必要があります。具体的には「浮かばれない」「迷う」などの忌み言葉や、「くれぐれも」などの重ね言葉などの使用を控えましょう。

句読点を打たない

メールでもお礼状同様に句読点を使用しないようにします。親しい間柄でも最低限のマナーは守る必要があるでしょう。葬儀にふさわしいメールを送ることが、相手にとっても気持ちが伝わるお礼として受け取りやすいでしょう。

例文紹介

件名:〇〇より 葬儀受付係のお礼

本文:

〇〇〇〇様

葬儀が無事に終えられたことを報告し 感謝の気持ちをお伝えしたく このメールを差し上げます

先日はご多用の中 亡父△△△△の葬儀の受付係として 参列者の案内や香典の受け取り 多くの重要なタスクを担当していただきました あなたの協力があったおかげで 葬儀は円滑に進行し 心温かいものとなりました

このメールでお礼を述べることは略式となりますが 心からの感謝の気持ちを込めております 葬儀の成功にはあなたの協力が不可欠でした ありがとうございました

お世話になり 改めて感謝の意をお伝え申し上げます

よろしくお願いいたします

〇〇月〇〇日

        〇〇〇〇(差出人の名前)

まとめ

セレモニーホール

今回の記事では、葬儀手伝いをしてくれた方に対するお礼相場やマナーを解説しました。葬儀での受付係や案内係、世話役代表などさまざまな手伝いをしてくれた方へお礼が必要です。

お礼の相場は、地域の風習や宗教によって異なりますが、世話役代表へは1万円から3万円程度のお礼が一般的です。また、受付係、案内係などは、一般的には3000円から5000円程度が相場となっています。

翌日または翌々日までには遅くてもお礼を渡すことを心掛け、事情があってそのタイミングで渡せない場合でも初七日までには渡すようにしましょう。その際は、お礼の言葉を添えて渡すことに注意が必要です。

お礼状を書く際のマナーとして、句読点を使用しないことや重ね言葉を使用しないことなどが挙げられます。また、近年はメールでお礼を送る機会も増えてきました。メールで送る場合のマナー解説や例文紹介もしているため参考にしてみてください。