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失敗しない!香典袋の選び方と書き方を図解でわかりやすく解説

失敗しない!香典袋の選び方と書き方を図解でわかりやすく解説

大切な方の葬儀や通夜に参列する際、香典袋の書き方や選び方について不安を感じたことはありませんか。

特に宗教や宗派によって異なる注意点やマナーが存在するため、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。そこで今回の記事では、香典袋の選び方と書き方について詳しく解説しています。

図解を交えながら、宗教や宗派ごとに異なる注意点や名前を書く際の決まり、そして中袋がある場合とない場合の記載方法などを紹介します。

不安な点がある場合は、ぜひ参考にしてください。

香典袋の書き方

香典袋の書き方

香典袋の書き方について、個人で渡す場合と会社から渡す場合、また中袋がある場合とない場合で異なります。また、個人と会社で香典を渡す場合とでも、書き方が変わってきます。

地域や立場によっても異なる場合があるため、香典の書き方に不安がある方は、確認しておきましょう。

中袋ありの場合

中袋がある場合の香典袋の書き方についてご紹介します。

中袋の有無に関係なく、基本的に書き方は変わりませんが、一部異なる点がありますので、参考にしてください。

表の上は、宗教・宗派によって異なる

表の上は、宗教・宗派によって異なる

香典袋の書き方は、宗教や宗派によって異なるルールがあります。

例えば、神式の場合は御神前や御玉串料などに使用されることがあります。一方、キリスト教(カトリック)の場合は御花料や御ミサ料を使用することが一般的です。

しかし、宗教がわからない葬儀に参列する場合には、一般的な表現として「御香典」や「御霊前」といった表記を使用できます。ただし、どの宗教でも対応できる1つの表記方法は存在しないため、あらかじめ喪主や親せきに宗教や宗派を確認しておきましょう。

名前はフルネームで書く

名前はフルネームで書く

名前は、直筆でフルネームを書くことが一般的です。フルネームを書く際には、水引のちょうど真下にできるだけ見やすい字で書くように心がけましょう。

また、色は薄墨の筆を使うのが正式で、ボールペンの使用は相応しくありません。水引があって書きにくい場合には、上手くずらして書いてください。

中袋がある場合、金額を記載する

中袋がある場合、金額を記載する

中袋がある場合、そちらに包む金額や住所を記載することが一般的です。金額を書くことで、受け取る遺族にとっても分かりやすくなります。

まず、金額を書く際には、以下の表を参考にして金額を旧漢数字を用いて書きます。さらに、住所や氏名を書く際にも、読みやすさも考慮してていねいに書きましょう。

金額 旧漢数字を使った金額の書き方
3,000円 参仟圓
5,000円 伍仟圓
7,000円 七仟圓
1万円 壱萬圓
3万円 参萬圓
5万円 伍萬圓
10万円 拾萬圓

香典を書く時の筆記用具

香典を書く時の筆記用具は、通夜や葬儀の場合には「薄墨の筆ペンもしくは筆」の使用が好ましいです。薄墨は、黒が薄くなっているグレーのような色で、市販の筆ペンもあります。

本来は、「急な訃報に急いで駆けつけたため」といわれています。その意味合いから考えると、年回忌などの法要の場合は、薄墨ではなく通常の墨を使うといいでしょう。

もし、通夜法要の際、どうしても薄墨を用いられない場合には、次の日の葬儀に包む、もしくは通常の墨を用いるようにしてください。

中袋なしの場合

中袋がない場合には、裏側に金額を記載しておくことが一般的です。

香典袋は、お葬式や法事などでお供え物として用いられるとともに、遺族が香典を管理するために必要な情報のため、記載しておくと混乱を避けられます。

金額の記載方法は、中袋があるときと同じように旧漢数字を用いましょう。

会社から香典を出す場合

会社から香典を出す場合

個人で香典を出す場合と比べて、会社や団体から出す場合は書き方が異なります。また、複数人で出す場合にも、記載する人数によって書き方に違いがあるため、注意が必要です。

ここでは、会社から香典を出す場合について以下のポイントを解説します。

  • 表の下側に会社名を書く
  • 3名までの連名の場
  • 4名以上での連名の場合

表の下側に会社名を書く

香典袋の書き方について、会社関係で香典を出す場合の代表的な書き方をご紹介します。

会社の社長名を中央に配置し、「代表取締役 ○○」と表記します。社長の名前の横には、小さく社名を書くとよいでしょう。

この書き方は、会社関係の香典袋の慣例的な書き方です。社長の名前を中央に配置することで、その方が会社を代表していることもわかり、社名を小さく添えられます。

3名までの連名の場合

3名までの連名の場合は、香典袋の表面に全員の氏名を書くことが一般的です。

会社であれば、目上の人の氏名を中央に書き、その左側に他の人の氏名を続けて書くようにします。上下関係がない友人や団体の場合は、五十音順に書いておくとよいでしょう。

4名以上での連名の場合

4人以上での連名の場合、代表者以外の名前は表書きには記入しません。代わりに、中央に会社名を記載します。これにより、誰から香典が贈られたかが一目で分かるようになります。

また、個人名は、半紙や奉書紙などの白無地紙に記入し、香典を包む側と受け取る側が同じ職場である場合、住所は省略することもあります。

香典袋へのお金を入れる際の入れ方と閉じ方

香典袋へのお金を入れる際の入れ方と閉じ方

香典袋へお金を入れる際の入れ方と閉じ方には、決まりがあります。

特にお札の向きや袋の閉じ方には注意が必要です。お札には表裏、上下の向きがありますので、正しく入れることが大切といえます。

また、外袋と中袋の2つの袋があるものとないものがあります。

ここでは、それぞれに場合分けして、お金の入れ方と閉じ方を紹介します。

中袋ありの場合

中袋がある場合、お金の入れ方と後ろの閉じ方に気を付けなければなりません。

お金の入れ方

お金の入れ方

中袋がある場合には、香典袋に直接ではなく、中袋に入れるのが一般的です。

この際、お札の入れ方にはいくつかのポイントがあります。まず、お札の向きですが、中袋を表向きにした際に、お札を人物の顔が見える裏側の状態で入れるのが一般的で、故人へのお悔やみや悲しみ、故人との別れの気持ちを意味しています。

また、お札の上下にも気を使う必要があります。一般的には、中袋の底側に肖像が下側がくるようにお札を入れるのが一般的です。これは、お札を両手で持つ際に、肖像が上側になるようにするためです。

ただし、地域によっては、上下を反対とする習慣もある場合がありますので、その点には注意が必要です。

後ろの閉じ方

後ろの閉じ方

後ろの閉じ方には、いくつかのポイントがあります。

まず、香典の中袋にはのりは使わず、代わりに「〆」「封」と書かれたシールを使います。このシールは、袋の後ろに貼ることでしっかりと閉じられます。

また、手紙を同封する場合は、封字である「〆」を書くことが一般的です。手紙を入れる際には、「個人や遺族へのメッセージを添えた」ことを伝えるために、封字である「〆」を用います。

最後に、外袋の閉じ方は、「左開き」になるように畳んで、裏側の折り込み口が下にかぶさるように閉じてください。これは、中袋の有無に限らないことですので、覚えておきましょう。

中袋なしの場合

中袋がない場合も、特に封をする必要はありません。

むしろ、封をしないほうが遺族の手間が省けるのでおすすめです。遺族が香典袋を開封し、お金の受け渡しを行う際に、封を開ける手間がなくスムーズに金額の確認ができます。

ただし、開封者が遺族以外であることを確認するために、「〆」もしくは「緘」の封字を記入しておくと良いでしょう。これにより、誤って他の方が開封することを防げます。

どれがいい?香典袋の種類

どれがいい?香典袋の種類

ほとんどの場合に使える香典袋の種類として、「白黒結び切り」があります。

急なご不幸の場面に備えておくことが大切です。また、宗教や宗派を越えて広く使えるものを持っておくと、もしものときにも焦らずにすみます。

また、香典袋の種類は金額によっても変わってきます。

ここでは、5,000円程度・1万円から3万円・10万円以上の包む金額ごとにどのような種類を選ぶかを紹介します。

5,000円程度

5,000円程度

5,000円程度の金額で包む場合は、水引が印刷されたものを用いるといいでしょう。

注意点として、あまりに豪華な香典袋を選んだのに、包む金額が少ないとかえって失礼にあたる場合があります。適度なバランスを保つため、5,000円程度の包まれる金額に合った香典袋を選ぶようにしましょう。

1万円から3万円

1万円から3万円

近しい友人や取引先・祖父母・親戚の叔父や叔母・親しくしていた従兄弟といった関係の場合、種類や金額に悩むことはよくあります。特に、近しい親戚や付き合いが深い関係の場合には、1万円から3万円くらいの金額を香典として包むとよいでしょう。

香典袋の種類は、実際の黒白の水引が結ばれているものを使うのが一般的です。

また、印刷されたものは避けるべきです。印刷されたものは、正式なものではないため、実際に水引があるものを用いてください。

10万円以上

10万円以上

10万円以上の高額な香典を包む場合、「中金封よりもさらに大きな大金封」を用いてください。

10万円以上の高額な香典は、自分の親の場合は少ないかもしれませんが、配偶者の親への香典の場合に包まれる場合が多くあります。

しっかりとした銀色のあわじ結びの水引が付いている相応しい香典袋を用いましょう。

香典を渡す時のマナー

香典を渡す時のマナー

ここまで、香典袋の書き方や種類について紹介しましたが、渡す際にも注意点があります。

香典を渡す際には、以下の点に注意しましょう。

香典を渡す時のマナー

・文字が読めるように渡す
・両手で渡す場合

文字が読めるように渡す

葬儀やお通夜の際には、記帳するための受付が用意されているので、そこで香典を渡すようにします。

渡す際には、相手側に向けてのし紙の文字が読めるように渡すことが大切です。そのためには、渡す際に向きに注意しましょう。

最近では、受付が設けられていない小規模な葬儀もあるため、その際には会場スタッフや遺族の方に直接渡してください。遺族の方に渡す際には、一声お悔やみの言葉もかけてから渡すようにしましょう。

両手で渡す場合

香典の向きのほかにも、両手で渡すようにしてください。

香典は、袱紗(ふくさ)に入れておくことが一般的ですが、渡す際には受付の台に袱紗(ふくさ)をいったん置く、もしくは香典の下に添えて両手で香典を持って渡すようにしましょう。

両手で香典を渡すことで、ていねいな立ち振る舞いができます。

まとめ

今回は、香典袋の選び方と書き方について、図解を交えて詳しく解説しました。

宗教や宗派によって異なる注意点や名前を書くときの決まり・中袋の場合の金額の記載方法などが変わってきます。地域によって変わる場合があるため、書き方に不安がある方は、親戚や葬儀会社のスタッフに聞いてみましょう。

また、香典は書き方や種類以外にも、渡す際にも注意が必要です。

葬儀や通夜の場は、特に故人と遺族と接する大切な時間ですので、それに相応しい振舞いをするように心がけてください。