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葬儀のお返しについて知りたいなら!マナーや相場、選び方まで解説

人の歴史は、その人のお通夜法要や葬儀の場面で参列していただく人によってわかります。贈っていただいた香典を通して故人を惜しむ気持ちが伝わるのではないでしょうか。

香典は、故人に対して心を寄せる親族や友人から感謝を示すためのものですが、そのお返しとして香典返しをすることが一般的なマナーとされています。しかし、多種多様な返礼の品の種類や価格帯があるため、選び方に悩んでしまう方も少なくありません。

そこで本記事では、葬儀のお返しができるように香典返しのマナーや相場、そしておすすめの品物を紹介するなどをご紹介します。

今回の内容
  • 香典返しとは
  • 香典返しを贈る時期は当日返しと後日返しがある
  • 香典返しを贈るときのマナー
  • 香典返しをしなくてもよいケース
  • 香典返しの辞退する人もいる
  • 香典返しの相場
  • 香典返しでよく選ばれる品物

これから香典返しをしないといけないが、何も思いつかない方や、どういったマナーがあるのか知りたい方は参考にしてください。

香典返しとは

そもそも香典返しとは、お通夜法要や葬儀などで受け取った香典に対してのお返しをいいます。ここでは、香典返しとはどういったものか、よく誤解されやすい会葬御礼との違いについて紹介します。

香典返しは香典へのお礼

香典返しは、葬儀などで寄せられた香典のお返しとして贈られるお礼です。香典はお金を包みますが、香典返しは物品で返します。

また、返す時期や方法については地域や習慣によって異なります。大切な方を失った時には、香典返しを通じて感謝やお返しの気持ちを伝えることが大切です。

香典返しと会葬御礼の違い

香典返しは、寄せられた香典へのお礼で、金額に応じて品物を贈る事が一般的です。一方、会葬御礼は、弔問に訪れた人へのお礼で、品物よりも手紙やメールで感謝の気持ちを伝える場合が多いです。

また、会葬御礼は香典返しとは同じお礼を示すものですが、渡す人が変わる可能性があることに気を付けましょう。

香典返しを贈る時期は当日返しと後日返しがある

香典返しを贈る時期は、地方や家庭の事情でさまざまで遺族の希望によって決められます。香典返しを贈る時期としては、当日返しと後日返しの2通りがあります。ここではそれぞれの特徴や注意点を紹介します。

後日返しは基本的に四十九日忌の法要後

香典返しは、原則として四十九日忌の法要後に贈るのが一般的です。

四十九日忌は、仏教徒にとって最も厳かな法要の1つで、亡くなった人の魂が浄土に行き、満中陰を迎えるからといわれています。

このため、本来の意味合いを考えると香典返しを四十九日忌の後に贈るのがよいでしょう。

当日返し

最近では、お通夜法要や葬儀に参列していただいた当日にお返しを行う当日返しを行う場合が増えています。当日返しは、直接会葬してもらえた方にお礼を伝えることで、より感謝の気持ちを伝えられます。

また、当日返しを行うと葬儀の手間や経済的な負担を減らせる傾向にあり、香典の金額によって後日別のものを送ることも可能です。後日お返しをする場合は、香典を受け取った旨と御礼を述べる手紙を早めに送るように心掛けるようにしましょう。

香典返しを贈るときのマナー

香典返しを行う際には、贈ってはいけないものやふさわしい包装を考える必要があります。また、基本的にお礼の手紙も同封するようになるため、文面なども気を付けないと失礼になってしまうかもしれません。

ここでは、香典返しを贈るときのマナーについて紹介します。

香典返しに贈っていけないもの

香典返しに贈っていけないものは、大きく3つあり、肉や魚や酒・鰹節・昆布や現金がタブーだといわれています。ここでは、選んではいけない理由を紹介します。

肉や魚

まず、肉や魚などの生ものは避けましょう。

仏教では、故人が亡くなってから四十九日忌を迎えるまでは、肉や魚などを使わない精進料理を食べます。そのため、マナーとして、香典返しのお返しには肉や魚を選ぶことは好ましくありません。

酒・鰹節・昆布

次に、酒や鰹節、昆布もNGです。

酒・鰹節・昆布は、お祝い事である慶事で贈るものとされており、香典返しに選ぶにはふさわしくありません。

現金

さらに、現金も避けましょう。

これは、香典としてお金を預かったにも関わらず現金を返す行為は失礼にあたるからです。また、その金額によっては、相手に失礼になりかねません。

香典返しにふさわしいのしや包装

香典返しには、掛け紙や包装が必要です。ただ、地域によって細かい慣習が異なる場合があるため、分からない場合や不安な場合は葬儀会社の担当の方に相談してみましょう。

ここでは、一般的な香典返しの掛け紙と掛け紙の表書きについて紹介します。

香典返しの掛け紙

基本的なマナーとして、香典返しにはのしは使用せず、「掛けのし」や「掛け紙」といった水引が描かれた掛け紙を使用することが一般的です。デザインなど、さまざまありますが、簡素で清潔感のあるものが好まれます。

掛け紙の表書き

掛け紙には、上に「志」と記し、下に喪主の名字を書くようにします。「志」と記すと、宗派を問わずに用いることが可能です。

また、喪主の名字のみを記すことが一般的ですが、「〇〇家」と表記する場合もあります。

香典返しにはお礼の手紙を添える

香典返しを郵送してお返しする際、必ずお礼の手紙を添えるようにします。手紙の内容は、香典返しを渡すタイミングによっても変わってきます。

たとえば、四十九日忌法要後に贈る場合には、香典をいただいた感謝の気持ちを伝えるとともに、故人の法要を滞りなく終えた報告をするといいでしょう。

ここでは、香典返しに同封するお礼状のマナーや例文を紹介します。

お礼状のマナー

お礼状を書く際には、以下のようなマナーがあります。

  • 句読点は使わない
  • 頭語・結語(拝啓・敬具など)を使う
  • 重ね言葉はNG
  • 季節のあいさつは入れない
  • 「逝去」は使わない
  • 便箋は一枚まで
  • 二重封筒は不可
  • 濃墨(地域によっては薄墨)を使う

忌み言葉は、「4(死)」や「9(苦)」といった死を連想してしまう言葉をいいます。ふだん、意識していない場合が多いですが、この場合は気を付けましょう。

お礼状の例文

以下は、香典返しのお礼状の例文です。

例文1

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます

この度は 故 〇〇(故人の俗名)の葬儀に際し
ご丁寧な心遣いを賜り誠にありがとうございました

おかげをもちまして 〇月〇日に四十九日忌法要を終えました
故人生前中はひとえに御厚情をいただき 御礼申し上げます
追善の微意を表す品をお送りいたしますので ご笑納ください

略儀ながら書中をもちましてお礼方々ご挨拶申し上げます
お心遣いに敬意を表して 心より御礼申し上げます

敬具

例文2

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます

この度は ご多忙の中 故 〇〇(故人の俗名)の葬儀にお悔やみの言葉をいただきまして 心より感謝申し上げます

おかげをもちまして ◯◯院◯◯◯◯居士(故人の戒名)の四十九日忌法要を相済ませました
故人生前中のひとかたならぬご厚情に対し心よりお礼申し上げます
つきましては心ばかりではございますが 追善の微意を表す品をお送りいたしますので ご受納くださいますようお願い申し上げます

本来であれば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきところ失礼ではございますが
略儀ながら書中をもちましてお礼のご挨拶とさせていただきます

敬具

以上のように、お礼状は相手に感謝の気持ちが伝わるようにしつつ、言葉遣いにも気を付けてください。

香典返しをしなくてもよいケース

葬儀のお返しである香典返しについて紹介しましたが、中には香典返しをしなくてもよい場合があります。以下の場合は、対象になる可能性があるため、確認してください。

香典返しをしなくてもよいケース

・大黒柱を亡くした場合
・香典返しなしの地方の場合

順番に紹介します。

大黒柱を亡くした場合

大黒柱で家族を支える方が亡くなった場合、香典返しは必要ありません。ただし、お悔やみの言葉は必ず伝えるようにしましょう。

香典返しなしの地方の場合

一部の地域では、香典返しの習慣がありません。この場合は、香典返しをする必要がありません。

ただし、地域によっては異なる場合もあるため、分からない場合や不安な場合は、親戚の方や葬儀会社のスタッフに確認してください。

香典返しをしない場合のマナー

香典返しをしない場合でも、お悔やみの気持ちを伝えることがマナーとして重要です。

手紙や電話、直接会っての言葉など、自分に合った方法で悔やみを伝えましょう。

香典返しの辞退する人もいる

香典返しをしなくてもよいケースのほかにも、香典返しを辞退する人もいる場合もあります。ここでは、香典返しの辞退をされたときの対応方法を紹介します。

まず、香典返しを辞退された場合は、感謝の気持ちを伝えることが重要です。辞退する理由も人それぞれあるため、香典を頂いたからといって必ずお返しをしないといけないわけではありません。

お礼の伝え方の具体的な対応としては、電話や手紙で伝える方法が良いでしょう。香典返しを辞退された相手に不快な思いをさせないように丁寧に対応してください。

香典返しの相場

香典返しには、いくつかの方法がありますが、その相場について以下の場合をまとめてみました。

  • 半返し(半分返し)
  • 香典のみをいただいた場合
  • お供え物をいただいた場合

順番に紹介します。

半返し(半分返し)

まず、代表的な方法の1つである「半返し」は、香典の半額程度の品物を贈ります。

この品物には、お米や菓子・まんじゅう・果物などの食品・タオル・ティッシュ・洗剤などの日用品があります。また、香典を金額で計算して、その半額程度を贈る商品を選びましょう。ただし、相手の年齢や性別、好みも考慮して品物を選ぶといいでしょう。

香典のみをいただいた場合

香典のみをいただいた場合には、感謝の気持ちを伝えるために、手軽なお礼状や返礼品を贈ることが一般的です。

品物としては、お茶やコーヒー・お菓子などが選ばれます。ただし、相手の立場や関係、お返しのタイミングによって、贈答品の内容や金額は異なるため、状況に合わせた選択が必要です。

お供え物をいただいた場合

お供え物をいただいた場合や葬儀などのお手伝いをしてくれた方には、手軽なお礼状を送ることが望ましいです。

お香・和菓子・洋菓子や果物など、規模や関係に合わせた品を選んで贈るといいでしょう。

香典返しでよく選ばれる品物

香典返しで選ぶ品物は、なるべく相手に喜ばれるものを選んで、心のこもった贈り物をしましょう。ここでは、香典返しでよく選ばれる品物についてまとめてみました。

消えもの

香典返しには、消えものが適しています。消えものとは、もらった側が消費しやすいもののことです。代表的な消えものとしては、線香やお茶・お菓子などが挙げられます。

線香

線香は、香典返しに最もよく選ばれる品物の1つです。線香には、パッケージに水引きが付いているものや、香典返し専用に作られた商品など、種類が豊富にあるのも魅力です。

お茶

香典返しにおすすめの品物として、お茶が挙げられます。お茶にも、茶葉の種類や産地、ブレンドなど、様々な種類があります。香り高く、味わい深いお茶を選ぶと、喜ばれることが多いです。

煎餅や和菓子

煎餅や和菓子も、地域特産のものや、老舗の和菓子店の商品など、種類が豊富で、香典返しに適しています。

お菓子詰め合わせ

煎餅や和菓子のほかにも、チョコレートや焼き菓子などの洋菓子も人気が高いお返しの品となっています。お菓子の詰め合わせを選ぶことによって、老若男女問わず好まれるものも多いです。

ハンカチ・タオル

ハンカチやタオルなどの布製品も、香典返しに選ばれることが多いです。素材やデザインにこだわった、高品質なものを選ぶと良いです。例として今治タオルは、贈呈やギフト用のタオルとして最適で、日常で使用しやすいタオルになっています。

カタログギフト

カタログギフトも人気があります。カタログギフトは、自分で好きな品物を選べるので、相手の好みに合わせた贈り物ができます。カタログによっても、取り扱っている商品が異なるため、金額や好みが合うようなものを送るようにしてください。

ただし、相手に選んでもらわないといけないので、負担に感じてしまう方もいます。

まとめ

今回は、葬儀のお返しとして、香典返しに関するマナーや相場・選び方について解説しました。香典返しには、種類や価格帯が豊富であり、故人を偲び、供養する気持ちを込めて選び贈ることが大切です。

また、香典返しを辞退する人もいるため、相手の意向を尊重することも必要です。大切な人を失った悲しみの中で、適切な形でのお返しを心がけ、今後も変わらぬお付き合いができるようにしましょう。