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創価学会の友人葬の費用は?納骨・供養の流れやマナーを解説

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創価学会では友人葬を1991年から行っています。遺族と友人が中心で執り行われ、僧侶を呼ばずに友人代表が読経することが特徴のひとつです。

友人葬を行う場合、費用がどの程度かかるのか気になる方もいるでしょう。本記事では友人葬について、費用の相場、特徴やマナーについてまとめています。

香典が不要であったり、供花に色つきの花を使用しなかったりと、友人葬特有のマナーがいくつかあります。参列する場合にマナー違反となることがないように、本記事を参考にしてみてください。

創価学会の友人葬の費用相場は?

友人葬の費用相場は、一般的な葬儀と比較して安くなるわけではありません。葬儀の規模や内容によって費用は変わります。費用の相場は40~150万円となっています。

火葬のみで行う場合、または家族葬で行う場合や一般葬で行う場合で、それぞれ費用は異なります。また、参列者の人数によって費用は増減しますので注意が必要です。寺院へのお布施や戒名料を必要としないため、葬儀以外の費用は安く抑えられる傾向にあります。

 

火葬のみの費用

火葬の費用は、公営の場を使用するか民間のサービスを利用するかで費用が異なります。地域によって異なりますが、公営の火葬は10万円以内で収まることもあります。民間のサービスを利用する場合には、一般的には20~40万円が相場となっています。

葬儀にかかる費用

小規模の葬儀の場合、相場は70万円程度となっています。ただし、地域や参列者の人数によって異なりますので注意してください。友人葬の特徴のひとつが「僧侶を呼ばない」ことです。そのためお布施が不要であり、また戒名も不要であるため費用が抑えられます。

お布施、戒名は場合によっては100万円以上にもなるため、費用の面では友人葬はメリットがあるといえるでしょう。

 

参列者の対応にかかる費用

参列者の対応にかかる費用については、参列者の人数と葬儀のスタイルによって変化はしますが、一般的な相場は30~100万円程度です。参列者の対応にかかる費用としては次のような内容があります。

  • 通夜、葬儀後の会食
  • 会葬礼状
  • 香典返し

「会葬礼状」は通夜や告別式の参列者に対するお礼状であり、返礼品と一緒に渡します。相場は一人当たり1500円程度です。

香典についての創価学会の考え方としては「儀礼的な意味での香典は不要」としています。ただし、学会員以外の参列もあり、香典をいただく場合は香典返しが必要となることがあるため注意が必要です。

創価学会の葬儀に対する思想

1991年に創価学会は友人葬をスタートしました。遺族と友人が集い、まごころをもって故人を供養することがコンセプトです。

式自体は一般的な葬儀と変わりは無く、式次第も一般葬と同じように読経、焼香、謝辞などを行います。地域の文化や慣習を尊重し、仏教の考えに沿っていれば、基本的には地域の文化や慣習に合わせた葬儀を行います。

江戸時代以降の「僧侶を呼び、戒名を行う」ことに対しては不要としており、本来の仏教の教えを忠実に再現し、参列者全員での読経と唱題が重要であるという考えです。法要についても同様に、本来の仏教の教えを大切にしていることから不要であるとの考えです。

追善供養は平安時代以降の日本独自の考え方であるため、創価学会の友人葬では法要は行いません。

創価学会の友人葬の特徴は?

しきみ

創価学会の友人葬の特徴は、本来の仏教の考え方に基づき、江戸時代や平安時代以降の日本独自の文化は行わないことが方針としていることです。
僧侶を呼ばず戒名を行わない、お布施は不要とするなど、友人葬のみの特徴はさまざまあります。

友人葬の特徴として5つの特徴を解説します。

僧侶を呼ばない

創価学会の友人葬の特徴として一番に挙げられるのが「僧侶を呼ばない」ということでしょう。僧侶を呼び引導を渡す葬儀の形式は、江戸時代以降の檀家制度の普及によるものであるとし、本来の仏教では不要であったという考えに基づいています。

創価学会の友人葬の形式は、信徒たちが集まり故人の功績や人柄を回想する、まごころからの「追善回向」です。追善回向では、故人のために読経やお経を唱え、心を込めて回向(お祈り)することで、故人の安らかな旅立ちを願います。

また、創価学会では、生前に信仰を持っていた人であれば誰でも、追善回向を行うことができます。僧侶に頼らずとも、信仰を持った仲間たちが故人を送り出せることを表している葬儀といえるでしょう。

しきみ祭壇を使う

葬儀によって、祭壇はさまざまあり「白木祭壇」「花祭壇」などがよく見られます。友人葬ではしきみを使用した「しきみ祭壇」を使うことになっています。しきみは独特な香りと、強い毒性を持っていることが特徴です。しきみで囲まれた祭壇は凜とした印象を参列者に与えるでしょう。

戒名をつけない

僧侶を呼ばないという考えに基づいて、戒名をつけることも不要としています。生前の名前がそのまま使われる葬儀となっており、戒名代は費用としてかかりません。

導師への謝礼などは不要

僧侶を呼ばないためお布施も不要です。お布施は寺院や地域、宗派によって金額はさまざまですが、10万円単位の高額となる場合も多いです。そのため、お布施が無いことで費用面の負担は少ないといえるでしょう。

5本房の数珠を用いる

創価学会の数珠は、5本房であることが特徴的です。3本有る側が右側、2本のほうが左側になるように持ち手を合わせます。学会員でない場合は通常の数珠を持参しても問題ありません。

創価学会の友人葬の流れ

地域によって違いはありますが、一般的な友人葬の流れを紹介します。次の流れをとることを創価学会として推奨しています。

  • 開式の辞
  • 読経・唱題
  • 焼香
  • 御祈念文・題目三唱
  • 弔電の紹介
  • 導師による挨拶
  • 謝辞
  • 題目三唱
  • 閉式の辞

一般葬と大きく流れは変わりませんが、友人葬として特徴的なのが「読経・唱題」です。

読経・唱題においては、友人葬では僧侶を呼ばないため友人代表を中心に行います。読経では方便品と寿量品の自我偈(2回)を読誦することであり、唱題は「南無妙法蓮華経」を唱える行為にあたります。創価学会の会員は朝と晩に読経と唱題を行っており、葬儀でも同様のことを行うのが通例です。

創価学会の友人葬のマナー

初めて友人葬に参列する場合は、他の一般的な葬儀と比較してどこに違いがあるか戸惑うこともあるでしょう。友人葬に参列する前に知っておきたいマナーを8つ紹介します。

香典を持参するべきか

創価学会の特徴として「香典」が無いことが挙げられます。いっぽうで、地域の特色に合わせた葬儀を行うという特徴も持っています。香典については葬儀を行う遺族の意向によって異なりますので、注意が必要です。

強い信仰の遺族の場合は、香典は宗派の思想を尊重して一切受け取らないこともあります。その場合、無理に渡さずに遺族の意向を受け入れましょう。事前に確認するか、または確認ができない場合は念のため持参するのが無難です。

表書きの書き方、墨の濃さなどは他の宗派と同等のマナーとなっています。

焼香の方法

焼香の前に遺族への一礼を忘れずに行います。焼香の回数については厳格に決められているわけではなく、参列者それぞれの信仰する宗派に合わせて良いことになっています。

額に3回押し抱く方法が一般的ですので、分からない場合は事前に調べたり周りの方へ聞くなどして対処するようにしましょう。

使用する数珠

前述の通り創価学会としては5本房の数珠を使用することになっていますが、非学会員の場合は特に定めが無いです。自分の宗派に合わせた数珠を持参しても問題ありません。

供花について

供花は、一般的には故人が生前好きだったお花や百合、菊などがよく使われますが、友人葬ではしきみ、または白い花が使われることが多いです。ただし、遺族の意向に沿うことが多いため、もしも故人の好きな花を供えたい場合は事前に確認をとったほうが良いでしょう。

友人葬のしきたりを重視する葬儀であった場合は、色の付いた供花はマナー違反となってしまいますので注意が必要です。

参列の服装

参列者の服装は準喪服が推奨されています。ただし、「平服」という事前のお知らせがあった場合は、略喪服で参列しましょう。準喪服の場合は黒のスーツ、白いワイシャツ、他は黒で統一するようにします。女性の場合はブラックフォーマルとし、真珠、結婚指輪以外のアクセサリー類は外していきましょう。

お悔やみの言葉

友人葬は仏教であるため、仏教用語を用いて故人の冥福を祈ることが伝えられれば問題はありません。仏教用語としては「往生」「供養」「他界」がよく使用されています。

弔慰文・弔電

弔慰文・弔電については一般的な葬儀と変わりありません。友人葬特有のマナーはありませんので、参列できない場合は通常の方法で弔電を送りましょう。

注意点

友人葬は一般的な仏教の葬儀と大きくは変わりません。最低限のマナーとして、葬儀の最中は私語を慎み故人を偲び、冥福を祈る気持ちで臨みましょう。

一般的な葬儀と少し異なる点として、「友引」の考え方があります。仏教における友引は、葬儀を避ける日取りとして認識されていますが、友人葬においては特に重要視されていないためあまり気にする必要はないでしょう。

また、参列した際に読経を学会員全員で唱えることに驚くかもしれません。学会員でない場合は唱える必要は無いため、慌てないようにしましょう。

 

創価学会の友人葬の納骨と供養

創価学会として、会員向けに3つの納骨設備を用意しています。

  • 墓地公園
  • 長期収蔵型納骨堂
  • 常楽納骨堂

墓地公園は、全国15カ所に用意されている設備です。墓石を用意し、隣との敷居を設けずに納骨します。長期収蔵型納骨堂は、全国6カ所に用意されているロッカー型の設備です。使用期間は20年で設定されており、期間を過ぎると永久収蔵納骨室に移動され永久供養となります。常楽納骨堂は全国16カ所に設置された共有の納骨堂です。共有であるため費用が最も安く、永久に納骨と供養を担ってくれます。

遺族の意向によっては、学会員向け以外の納骨堂を使用しても問題ありません。親族で話し合って、故人の意向も含めて納骨場所を検討しましょう。

 

創価学会の友人葬の法要

創価学会では、故人に対する追善供養を重要視しています。そのため、法要については必ずしも行うものではないとしていますが、会員たちは日々の勤行を通じて、故人の供養を行っているという考えです。

また、創価学会では、追善勤行法要を定期的に開催しています。この法要は故人の偉業や功績を称え、その人生の意義を再確認するためのものです。会員たちはこの法要を通じて、故人への感謝や思いを新たにするとともに、自分自身の成長や向上にもつなげていくでしょう。

ただし、遺族の意向によっては、年忌法要を自宅で行うこともあります。創価学会では、このような意向にも配慮し遺族の意思を尊重しています。

 

まとめ

今回の記事では、創価学会の友人葬について費用の相場と、特徴やマナーについてまとめました。

葬儀の費用相場は一般的な葬儀と変わりは無く、40~150万円程度が相場となっています。火葬のみとした場合や、葬儀自体の費用、また参列者の対応にかかる費用についてそれぞれ一般的な葬儀と同じ相場と考えて良いでしょう。

ただし、僧侶を呼ばないという特徴があるためお布施、戒名の費用を必要としません。そのため葬儀全体にかかる費用は抑えることができるでしょう。一方で、遺族の意向による部分もありますが、基本的には香典については不要とする考えがあるため注意が必要です。

大まかな流れやマナーについては、仏教の一般的な葬儀とあまり変わりません。気をつけるべき点としてはしきみ祭壇を使うことと、供花はしきみまたは白い花を使用することが多い点です。一般的な葬儀では故人の好きな花や色の付いた花とすることが多いため、事前に確認をとるほうが良いでしょう。