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葬儀ローンとは?手続きと手数料について解説

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葬儀の出費は急に必要となるため、一括で払えなくて困る方は多いのではないでしょうか。

そのような場合に葬儀会社からローンを勧められることがありますが、葬儀ローンのメリット・デメリットを理解した上で利用しないと、後々返済に困る可能性もあります。

今回の記事では、各種葬儀ローンの特徴と、メリット・デメリット及び注意するべきポイントを解説します。また、葬儀ローンの審査が通らなかった場合の対処法も紹介していますので参考にしてみてください。

葬儀ローンとは?

葬儀ローンとは、葬儀費用の一部または全額を分割払いできるローンサービスのことです。葬儀費用は高額になりがちで、急な出費になることが多いため、現金での一括支払いが難しい場合に利用されます。

葬儀ローンは、葬儀を行う際の財政的負担を軽減できるでしょう。葬儀ローンには次の種類があります。

  • 葬儀社提携ローン
  • 銀行
  • 労金・信金

また、クレジットカードを用いた分割払いも葬儀会社によっては可能です。それぞれで審査基準や金利が異なるため、詳しく解説します。

葬儀社提携ローン

葬儀社が信販会社と提携して提供するローンです。信販会社は、商品代金を立て替えたり、クレジットカードの発行やローン支払いの提供を行ったりしています。

葬儀社提携ローンは、審査基準が緩く、かつ審査に時間がかからないことが特徴です。ただし金利が高く設定されているため、長期間支払った場合は総支払額が多くなるデメリットがあるでしょう。

また、窓口が葬儀会社となるため、手続きがスムーズに行える点がメリットとして挙げられます。葬儀社提携ローンの場合は、審査やローン手続き、葬儀の打ち合わせを全て葬儀会社に一本化できるため手続きが楽になるでしょう。

一方で、金融機関でローンを組む場合は自分自身で手続きをする必要があり、さらに葬儀会社とのスケジュールに合わせたローン審査を行うなど手間は増えます。

葬儀社提携ローンには次の内容がございます。

審査の期間 当日または翌日
金利 8~18%
返済回数 1~84回

銀行

銀行では「メモリアルローン」という名称でサービス提供されていることが多いです。また、用途を指定しないフリーローンも活用できるでしょう。

銀行の場合は審査が比較的厳しく、借入金額によってはさまざまな書類を必要とすることが多いです。審査も比較的時間を要する場合が多いため、前もって申請を検討する必要があるでしょう。

葬儀社提携ローンと比較して金利は低く、かつ支払回数も最長10年と長いため審査が通るのであれば経済的にはメリットのあるローンです。

銀行ローンは次の内容となっています。

審査の期間 1週間~2週間
金利 5~15%
返済回数 1~120回

労金・信金

労働金庫や信用金庫でもローンを組めるでしょう。主にフリーローンとして提供されていることが多く、一部では冠婚葬祭向けのローンが商品化されています。

銀行と比較すると審査が完了するまでの期間は短いですが、1週間程度はかかるため早い段階での準備が必要です。審査は厳しいですが、金利が低いのがメリットといえるでしょう。

労金・信金は次の内容となっています。

審査の期間 1週間程度
金利 2.5~10%
返済回数 3~84回

クレジットカード

葬儀会社が対応していれば、クレジットカードによる分割支払も可能です。クレジットカードの場合はカード審査さえ通っていれば、改めて審査を行う必要がなくスムーズに支払い手続きができるでしょう。また、クレジットカードのポイントやマイルが貯まるため、お得な支払い方法となっています。

ただし、クレジットカードの利用上限があることと、費用内容によってはクレジットカード払いに対応していないため注意が必要です。例えば、お布施の支払いなどはクレジットカード払いに対応していません。

クレジットカード払いはリボ払いを選択できますが、金利は15%と高めの設定となっているため注意しましょう。

葬儀ローンのメリット・デメリット

メリットデメリット

葬儀ローンは高額な支払いになることが多く、一時的な出費を抑えるためにローンを使う方は多いです。ただし、デメリットを理解しないままローンを組んでしまった場合、後に支払いで困る可能性があります。

葬儀ローンのメリット・デメリットを解説しますので、よく理解した上でローンを活用しましょう。

葬儀ローンのメリット

葬儀は急に起こるため、まとまったお金が用意できない場合もあるでしょう。そのような場合に葬儀ローンは、分割払いができるため役立ちます。葬儀ローンで支払うことのメリットを紹介します。

上限額が高い

葬儀会社提携ローンや、各種金融機関のフリーローンは借入れ上限額が比較的高く設定されています。限度額は10万円~500万で設定されていることが多いです。

ただし、上限額は自分の年収や、他の借入れとの兼ね合いによって変わってきます。あくまでも高いのは設定上の上限額です。仮に自分の年収に合っていない金額で申し込んだ場合は、審査の段階で落とされる可能性が高いです。

返済が楽になる

葬儀ローンを組むことで返済が楽になる理由は、支払いを分割できることです。一括で支払う場合には負担が大きくなりますが、ローンを組むことで金額を分割して返済でき、毎月の支払いが少なくなるため、返済が楽になるでしょう。

また、葬儀ローンは多くの場合、返済期間が長く設定されていることが多く、毎月の返済額を抑えられることも魅力の一つです。さらに、急な出費の負担が軽減できるため、心の余裕を保ちながら葬儀に臨めるでしょう。

ただし、ローンは返済が必要な借金であるため、適切な計画を立て、無理のない返済プランを作ることが大切です。

葬儀ローンのデメリット

葬儀ローンは支払い負担が軽減されるメリットがある一方で、金利や手数料が発生することや、審査期間が設けられているデメリットがあります。ローンを申し込む場合はデメリットをよく理解した上で、自分自身で納得して申し込みましょう。

葬儀ローンのデメリットを3つ紹介しますので参考にしてみてください。

金利や手数料

ローンのデメリットとしては、金利や手数料があることが挙げられます。ローンを利用する際には、借入額に応じた金利がかかるため、返済総額が大きくなってしまいます。また、借入額によっては手数料が必要となり、その額も返済総額に加算されるでしょう。

支払いが遅れた場合には、遅延損害金が発生することがあります。金利や手数料が加算される分、借入額が実際に支払う金額よりも増加する点に注意が必要です。

長期間の支払い

ローンのデメリットの1つに、長期間にわたる支払いが必要なことがあります。そのため、生活費や将来的な財政計画に影響を与える可能性があるでしょう。

また、支払期間が長くなるほど金利や手数料が蓄積され、総返済額が増加するため返済期間や返済額を見直す必要があります。さらに、収入源が変化した場合や予期せぬ出費が発生した場合、返済に支障をきたす可能性を考慮しなければいけません。

審査に時間がかかる

銀行や労金・信金などの葬儀ローンの場合は、金融機関や融資会社などの貸し手が、借り手の返済能力や信用状況を調査し審査をします。審査には、書類の提出などの手続きがあるため1週間~2週間程度の期間が必要です。

また、申し込み件数や審査担当者の人数によっては、審査の処理に時間がかかることもあるでしょう。そのため、急いでいる場合や早期に借入れが必要な場合には、ローンを利用することが難しくなることがあります。

さらに、審査に通過しなかった場合には、再度申し込みを行う必要があるため、その分追加の時間がかかってしまうこともあるでしょう。

葬儀ローン手続きの流れ

葬儀ローン手続きは次の流れで申請をします。

  1. ローンの利用を希望することを窓口で伝える
  2. ローン申込書の記入
  3. 与信審査が行われる
  4. 審査結果の通知
  5. 契約

銀行や信金など金融機関でのローンの場合は、「3.与信審査が行われる」で仮審査があります。仮審査通過後に、本審査となるため、葬儀会社提携ローンと比較して審査に時間が必要です。

葬儀ローンは、インターネットで申請が可能となっています。申請のみならず、全ての手続きがインターネットで完結するサービスも展開されてきており、手間がかからず便利なメリットがあるでしょう。

さらに、インターネット窓口の申請は金利の優遇が受けられることもあるためお得なサービスとなっています。インターネット手続きについては葬儀社や金融機関によって細かい部分が異なるため、事前に確認することが重要です。

葬儀ローンの注意点

葬儀ローンを活用するにあたって注意点を理解しておく必要があるでしょう。審査に通らない場合があること、現金での支払いが必要なため葬儀ローンが使えない場合などが該当します。

葬儀ローンの注意点を詳しく解説します。

審査に通らない場合がある

ローンを組む際には、金融機関や葬儀会社が設ける審査を通過する必要があります。審査は、借り手の収入や信用情報などを基に行われ、審査に通らないとローンを利用できないため、注意が必要です。

審査に通らない理由としては、返済能力が不十分だと判断されることが挙げられます。また、信用情報に傷がある場合も、審査に落ちる要因となるでしょう。そのため、事前に信用情報を確認することが重要です。

審査に通らない場合、別の方法を検討する必要があります。ただし、審査に通らないからといって、自己責任で高利貸しや違法な金融業者から借り入れることだけは避けましょう。

葬儀ローンの対象にならない費用の確認

葬儀の最中に現金で支払いが必要なものに関しては、葬儀ローンでの支払い対象となりません。現金での支払いではありますが、中には数十万円になるものもあるため注意が必要です。

葬儀ローンの対象にならないものとして次の費用があります。

  • 僧侶へのお布施
  • 火葬の費用
  • 心づけ

僧侶へのお布施の相場は20万円~30万円となっており、金額が大きいため注意が必要です。また、火葬の費用は公営であれば6万円程度で収まりますが、民営の場合は15万円程度となる場合もあるため気をつけましょう。心づけは、一人当たりは数千円~数万円程度ですが、人数が多いと出費額も大きくなります。

葬儀ローンの審査が通らない時の対処法

葬儀ローンの審査が通らない場合は、収入に対して申請額が多すぎる場合などが考えられます。そのため、頭金を増やしたり葬儀を簡略化したりして申請額を減らす必要があるでしょう。

葬儀ローンの審査が通らなかった時の対処法を紹介します。

給付金の活用

故人が国民健康保険、または社会保険に加入していた場合、葬儀費用に葬祭費補助金制度を活用できます。葬儀終了後に自治体に申請することで支給を受けられるでしょう。

支給される金額は加入している保険や地域によって異なりますが、国民健康保険の場合は概ね5万円程度となっています。

自動的に給付されるものではないため、忘れずに申請しましょう。

市民葬の活用

自治体が地域の葬儀会社と提携して行う「市民葬」を活用すると、葬儀費用が抑えられるでしょう。

葬儀代がどこまで負担されるかや、適用条件などは自治体によって異なります。葬儀費用を抑えたい場合はまずは自治体に相談してみるとよいでしょう。死亡届を出すタイミングで、自治体に申し込めます。

葬儀の簡略化

葬儀ローンが通らない場合は、葬儀を簡略化し葬儀費用を抑える対策があります。葬儀の簡略化の一例として、たとえば家族葬が挙げられるでしょう。

家族葬の場合、近親者または親しい人のみで葬儀をあげるため、参列者の人数が少なくなり必要なお金も軽減できます。親しい人のみが集まるため、遺族も気を遣わずに葬儀を行えるメリットもあります。

通夜や告別式を省略し、火葬のみを行う「一日葬」も葬儀費用を抑えることができます。また、葬儀の細かい部分を見直すことで一般層でも葬儀費用を節約できるため、見積書をよく読み、不要な部分を見極めて葬儀会社に相談してみるとよいでしょう。

頭金を増やす

ローンの審査が通らない場合、頭金を増やすことが解決策となることがあります。頭金は、葬儀ローンを組む費用のうち、最初に支払う一部分です。頭金を増やすことで、ローンの借入金額を減らすことができ、それに伴って返済期間や返済額を減らせるでしょう。

また頭金を増やすことで、貸し手にとっても返済能力が高いと判断され、ローン審査に通りやすくなる場合があります。ただし、頭金を増やすことで手元に残るお金が減るため、慎重に判断する必要があります。最適な頭金の金額は自分の収入や支出状況などを踏まえ、計画的に決めることが大切です。

故人の生命保険

故人が生前、生命保険に加入していたかどうかを確認しましょう。生命保険に加入していた場合、死亡保険金が使えます。

故人がやりとりしていた保険会社の担当に問い合わせて、必要な手続きをします。そのために、生前から故人が加入している保険会社はある程度把握しておく必要があるでしょう。ただし、必要書類を揃えて郵送し、到着後に書類の確認が行われて保険金受け取りまでは1週間程度かかる場合があるため注意が必要です。

まとめ

今回の記事では、各種葬儀ローンの特徴と、葬儀ローンのメリット・デメリット、及び注意点を解説しました。

葬儀を分割払いする方法は次の4つがあります。

  • 葬儀社提携ローン
  • 銀行
  • 労金・信金
  • クレジットカード

それぞれ金利が異なりますが、基本的には審査が厳しいほど金利は低くなる傾向があります。

葬儀ローンのメリットとしては一時的な支出を減らすことができる点がありますが、長期間支払うことによって総支払額が多くなるデメリットに気をつけなければいけません。葬儀ローンを組む前に、将来的な返済計画を立てることと、審査に通らない場合があることに注意しましょう。

葬儀ローンの審査に通らなかった場合の対処法を5つ紹介していますので、葬儀ローンを検討している方は参考にしてみてください。