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葬儀の受付とは?頼まれたときや頼み方について徹底解説!

葬儀受付

従来の葬儀形式である一般葬や、密葬後に行われるお別れの会では、参列者が多くなるため、通常は会場入口に受付を設置します。会葬者は、遺族が辞退しない限りは香典を持参しますので、受付担当の主な役割は会葬者を迎え、香典を受け取り、記帳をお願いすることです。

受付を担当する人数は、2名以上が適しています。親戚、勤務先関係者、故人や遺族の友人の中から、葬儀の規模に応じて喪家が依頼します。

受付は会葬者が最初に立ち寄る場所であり、現金や個人情報を取り扱うため、参列者にも遺族にも失礼のない、落ち着いた立ち居振る舞いが求められます。

この記事では、葬儀の受付の手順や注意点を中心に解説します。

葬儀の受付の役割

会葬者を迎える

受付には、遺族の代わりに会葬者を迎えるという役割があります。葬儀に参列する人が最初に訪れる場所が受付です。

会社の受付やホテルのフロントをイメージし、感じの良い対応を心がけます。ただし、明る過ぎる挨拶や笑顔は、葬儀の受付にはふさわしくありませんので注意しましょう。

香典を預かる

喪家が香典を辞退していなければ、会葬者から香典を受け取ることになります。香典を差し出されたら「お預かりいたします」や「ご丁寧にありがとうございます」と両手で受け取ります。

芳名カード(芳名帳)に記帳してもらう

次いで、芳名カードまたは芳名帳に記帳してもらいます。芳名カードは遺族にとって、重要な記録であり情報源となるものです。後日、香典返しやお礼状を出す際に必要となります。

氏名はフルネームでお願いし、住所と電話番号も書いてもらいます。ただ、すべてを記入するのに抵抗がある人には無理にお願いせず、氏名と住所だけでも記入してもらいます。

会葬者は個人情報を芳名カードに書きます。受付は知りえた情報を、安易に他言しないようにしましょう。

以前は、ノート式の芳名帳が使われていましたが、最近は以下のようなカード式が使われることが多くなりました。

芳名カード

画像引用元:Amazon

返礼品、または引換券を渡す

記帳が終わった人に、返礼品を渡します。規模の大きな葬儀では、受付とは別に、返礼品を渡す係がいる場合もあります。

返礼品は引換券を渡しておき、帰りに受け取ってもらう方法もあります。葬儀社スタッフから説明がありますので、指示に従いましょう。

受付が終わった人には「会場はあちらでございます」と、入口を伝えます。

香典と芳名カードをセットにし会計係に渡す

香典袋と芳名カードをセットにして、会計係に渡します。ノート式の芳名帳は、芳名帳に振られた番号と同じ番号を香典袋に書き、香典のみ会計係に渡します。

会計係はたいてい、受付の後ろにいます。会葬者が記帳を終え、受付を離れてから会計係に渡すようにしましょう。

弔電、供花、供物が届いたら葬儀社スタッフに伝える

弔電、供花、供物は通常、通夜や葬儀の数時間前には届いているものですが、直前に届くこともあります。近くにいる葬儀社スタッフに声掛けをし、対応してもらいます。

受付を担当する際の服装やマナー

服装は喪服を着用

受付は遺族の代理として、会葬者を迎える立場です。喪家側の立ち位置になりますので、準礼装、いわゆる喪服を着用します。男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマルといわれる黒のスーツやアンサンブル、ワンピースです。

髪型

ロングヘアの人は低い位置でひとつに束ね、ヘアアクセサリーを使うなら黒を使用します。茶髪、金髪、ピンクや紫などの髪色はカジュアルな印象を与えますので、黒系に戻しておきましょう。

女性の化粧やアクセサリー

女性は色味を抑えた、控えめな化粧をします。アクセサリーは結婚指輪や、真珠、オニキスは着用できますが、ネックレスは一連のものに限られます。受付は手先が目立ちますので、しめやかな場にふさわしくない華やかなネイルアートは除去しておきます。香水はつけないのがマナーです。

言葉遣いや立ち居振る舞い

会葬者には「このたびはご丁寧にありがとうございます」など、一社会人としての、ていねいで簡単な挨拶でじゅうぶんです。

ただ、「忌み言葉」といわれる縁起の悪い表現を気にする人はたくさんいます。死を連想させる言葉、繰り返しを表す言葉、あまりに直接的な言葉は控えるようにします。

過度に神経質になる必要はありませんが、受付を頼まれたら忌み言にはどのようなものがあるかを、インターネットなどで確認しておくとよいかもしれません。

葬儀開始が近くなり会葬者が集中したら、挨拶は簡潔にします。また、友人、知人などが来場しても私語は慎んでください。

受付の注意点

会場に到着したら

指定された集合時間に遅刻しないよう、余裕をもって会場に着くようにします。到着したら、まずは喪主やご遺族にお悔やみのことばを述べましょう。

葬儀社スタッフが受付台のセッティングをし、芳名カードや芳名帳、筆記用具、名刺入れなどの備品を用意します。スタッフから受付の説明がありますので、必要ならメモをとって、よく理解しておきましょう。

焼香をする

受付担当はいつ焼香を行うか、葬儀社スタッフに聞きましょう。葬儀の開始前に焼香をすることが多いようです。

会場のフロアマップを見ておく

受付は会葬者が来場して最初に訪れる場所のため、化粧室や控室、出入口などを聞かれることがよくあります。事前に会場のフロアマップを見て、だいたいで結構ですので場所を頭に入れておきましょう。

開始と終了時間を把握しておく

会葬者からたずねられたときのため、おおよその開始、終了時間を会場スタッフに聞いておきます。式次第にも目を通しておきます。

知らない人から受付を代わると言われたら

葬儀の受付は多額の現金が集まるため、弔問盗、いわゆる香典泥棒のターゲットになりやすい場所です。特に大型葬や新聞に死亡広告を出している葬儀は、警戒が必要です。

「喪主の〇〇さんから交代するよう言われてきました。少し休憩してください」などと、親戚や弔問客を装うのが手口です。受付は最初から最後まで交代しない、という取り決めをしておくとよいでしょう。

対応に迷う場合

受付を担当していると、対応に迷うことがでてきます。事前に喪主や、葬儀社スタッフに確認しておきましょう。

返礼品の個数

頂いた香典に対して返礼品を渡しますが、連名の場合は香典袋に書かれた人数分、団体名は1つ、夫婦連名は一家に1つが基本です。念のため、確認しておきましょう。

香典を預かって来た人

葬儀では、参列できない人から香典を預かって来る人もいます。その場合は、香典袋の数だけ芳名カードを書いてもらい、返礼品も同数渡すのが基本です。こちらも念のため、確認しておきます。

香典辞退での例外的なケース

近年は香典、供花、供物を辞退する葬儀も増えてきました。その場合、喪家側は葬儀の案内をする際に、事前に辞退する旨を告知します。

さらに、葬儀当日は受付台に、辞退している旨を掲示する立て札を置く場合があります。香典を持参してきた人もその立て札を見れば、この葬儀では辞退しているということがわかり、香典は出しません。

しかし、なかには香典を渡そうとする人もいます。その場合の対応を喪主に聞いておく必要があります。以下のような対応が考えられます。

  • 「恐れ入りますが、故人の遺志でご辞退することになっております」と全員お断りする 
  • どうしてもという場合は受け取る 
  • 親戚の人からだけは受け取る

もし一部の人から香典を受け取った場合、その管理をどうするかも確認しておきます。

喪家として受付の依頼のしかたと謝礼について

葬儀の規模を考慮し、必要と判断した場合は手伝いの人をお願いします。頼んだ人に対しては、葬儀のあとにお礼をしましょう。

受付の人数を決める

大型葬の場合は受付をスムーズにするため、受付を「一般」「会社関係」などに分けることがあります。その場合は受付デスクの数に応じた人数を依頼します。通常は1つの受付につき最低でも2名ついてもらいます。受付が不在にならないようにするためです。

受付はどのような人に依頼するか

故人や遺族からやや遠い親戚、在職中であれば職場の人、故人や喪主の友人・知人が適任とされています。直系の親族は葬儀会場の遺族席に座る立場にありますので、普通は受付は担当しません。

受付を頼んだ人への謝礼

規模の大きな通夜、葬儀では受付や会計をはじめ、さまざまな係をお願いすることがあります。その際には葬儀終了時または後日、感謝のしるしとして現金や商品券、または品物を渡します。

現金の場合、水引のない白無地の封筒に「御礼」の表書きに喪主名を書きます。金額は3〜5千円が多いようです。

地域によっては現金よりも菓子やタオルなどの品物、または商品券が好まれる場合もあります。葬儀社の人は地域の慣習をよく知っていますので、迷ったときには聞いてみるのがよいでしょう。

家族葬の受付は不要な場合も

近年増えてきた家族葬は、遺族側から参列してほしい人に声掛けをするかたちの葬儀です。会葬者のほとんどが顔見知りで、会葬者数も事前にわかっています。

そのため、家族葬では受付を設けないこともあります。香典は、喪主が直接受け取ります。

まとめ

斎場などで執り行われる一般葬や、ホテルなどを会場とするお別れの会や偲ぶ会には、多くの参列者が訪れます。そのため、入口に受付を設置するのが一般的です。

受付は香典や参列者の個人情報を扱う性質上、受付を頼まれるということは、喪家から信頼されているということです。受付を依頼されたら喪主や遺族の立場になり、丁重なことばや立ち居振る舞い、失礼のない服装で手伝いたいものです。