「できるだけ費用を抑えて、静かに見送りたい」。そう考えて直葬(火葬式)を検討する方もいます。ただ、大阪市の直葬にいくらかかるのか、火葬料以外に何が必要なのかは、わかりにくいものです。
この記事では、大阪市で直葬を行う場合の費用の内訳と合計のめやす、流れ、注意点を、葬儀のプロの視点からわかりやすく解説します。
大阪市の直葬(火葬式)とは?
直葬(火葬式)とは、通夜や告別式を行わず、ご遺体を安置したあと、火葬だけでお見送りする形式です。大阪市内では、市が運営する5か所の市立斎場(瓜破・北・小林・鶴見・佃)で火葬ができます。直葬では式場を使わないため、建替工事で式場が利用停止になっている小林斎場でも、火葬は通常どおり行われています。
大阪葬儀には、一般向けの直葬のプランが2種類あります(生活保護の方向けには福祉葬もあります)。
- シンプル直葬(火葬式):極力、費用を抑えたい方向けのプラン
- 面会あり直葬(火葬式):低価格でも、もう少し一緒にいたい方向けのプラン
大阪市の直葬にかかる費用の内訳
直葬の費用は、おおまかに「市立斎場に支払う火葬料」「葬儀社のプラン費用」「別途かかることがある費用」の3つに分かれます。
1. 市立斎場に支払う火葬料
大阪市の火葬料は、「市民」と「その他の者」に分かれています。料金表は5つの市立斎場で共通です。
| 区分 | 市民 | その他の者 |
|---|---|---|
| 大人(10歳以上) | 10,000円 | 60,000円 |
| 小人(10歳未満) | 6,000円 | 36,000円 |
| 死産児 | 3,000円 | 18,000円 |
市民料金は、亡くなった方または斎場の使用者(申込者)のどちらかが大阪市内に住所があれば適用されます。判断に迷う場合は、ご依頼の際に葬儀社へお伝えください。
2. 葬儀社のプラン費用(参考価格)
直葬プランの参考価格は、次のとおりです(税込、葬儀社からの見積時の参考価格)。
| プラン | 参考価格 | 含まれる主な内容 |
|---|---|---|
| シンプル直葬(火葬式) | 10万円〜15万円 | 寝台車(病院〜安置、安置〜火葬場)、ドライアイス(2日分)、桐平棺、仏衣、骨箱、役所手続き代行(死亡診断書または死体検案書の提出、火葬場の手続き)、運営スタッフ |
| 面会あり直葬(火葬式) | 15万円〜20万円 | シンプル直葬の内容に加えて、後飾りセット、預かり霊安室(自宅で安置できない場合) |
どちらも、依頼する葬儀社によって内容が異なる場合があります。また、参列者の人数によって運営スタッフの増員が必要になると、追加費用がかかります。
プランの価格帯によっては、火葬料金・式場使用料・当日仕上げ料理・控室使用料が含まれていないことがあります。見積書では、火葬料が含まれているかを必ず確認しましょう。
3. 別途かかることがある費用
プランの費用とは別に、次のような費用がかかることがあります。
- 宗教者へのお礼:お坊さんなどにお願いする場合、10万円程度から(葬儀社ではなく、直接お支払いする費用です)
- 戒名:10万円程度から(同上)
どちらも、依頼する場合にかかる費用です。よく選ばれるオプションは、次のとおりです。
| オプション | 参考価格 |
|---|---|
| マイクロバス | 5.5万円〜10万円/1日 |
| 預かり霊安室(シンプル直葬) | 1万円〜2万円/1日 |
| 案内係 | 1.5万円〜3万円/1名・1日 |
| 供花一対 | 3.3万円〜10万円 |
| お花入れ | 3.3万円〜10万円 |
直葬の合計のめやす
火葬料がプランに含まれていない場合は、プランの参考価格に市の火葬料(大人)を足したものが、おおよその合計になります。
| プラン | 市民の場合 | その他の者の場合 |
|---|---|---|
| シンプル直葬 | 11万円〜16万円 | 16万円〜21万円 |
| 面会あり直葬 | 16万円〜21万円 | 21万円〜26万円 |
※プランの参考価格に、大人の火葬料(市民10,000円、その他の者60,000円)を足した計算です。宗教者へのお礼、戒名、オプションは含まれません。実際の金額は、葬儀社の見積書で確認してください。
遺体預かり
市立斎場では、火葬の前日に限り、ご遺体を1体1夜800円で預かってもらえます。それ以前の安置は、自宅や葬儀社の安置施設などになります。
大阪市の直葬の流れ
- 死亡診断書(または死体検案書)を受け取る:病院で亡くなった場合は医師から、警察が関わる場合は検案書が発行されます。
- 葬儀社へ連絡し、搬送・安置する:病院や施設から、自宅や安置施設へご遺体を搬送します。
- 死亡届を提出し、火葬許可証を受け取る:死亡届は、亡くなったことを知った日を含めて7日以内に提出します。提出先は、亡くなった方の本籍地・死亡地・届出人の所在地のいずれかの市区町村役所で、大阪市では各区役所の窓口サービス担当課などが窓口です。死亡届が届け出されると、埋火葬許可証が発行されます。
- 斎場の予約・火葬:法律(墓地、埋葬等に関する法律)により、原則として死亡後24時間が経過しないと火葬はできません。斎場への問い合わせは9時30分から17時です。
- 火葬・収骨:火葬後、火葬許可証には火葬済の証明印が押されて返却されます。納骨の際にはこの証明印のある許可証が必要なので、大切に保管してください。
シンプル直葬・面会あり直葬のどちらも、死亡診断書または死体検案書の提出や火葬場の手続きは、プランに含まれる「役所手続き代行」で葬儀社が行います。死亡届の提出も、あわせて葬儀社が代行するのが一般的です。
費用の負担を軽くする制度
国民健康保険の葬祭費
大阪市国民健康保険の被保険者が亡くなった場合は、葬祭を行った方に50,000円が支給されます。申請は、葬祭を行った日の翌日から2年以内に、区役所(保険年金業務担当)で行います。
後期高齢者医療制度の被保険者が亡くなった場合も、葬祭を行った方に50,000円が支給されます。申請先は、亡くなった方がお住まいだった区の区役所(保険年金業務担当)で、葬祭を行った日の翌日から2年間が時効です。加入している医療保険によって、給付の有無や金額は異なるため、詳しくは区役所または加入先に確認してください。
生活保護を受けている場合
生活保護を受けている方向けに、自己負担0円の福祉葬のプランがあります。事前に担当窓口または葬儀社へ相談してください。
大阪市の直葬で気をつけたいポイント
- 火葬料は住所で大きく変わる:大人の火葬料は、市民が10,000円、その他の者が60,000円です。
- 火葬待ちが起きることがある:大阪市では令和7年1月〜3月に火葬待ちが長期化し、令和7年12月から火葬の受け入れ件数が増やされています。安置の日数が増えると、費用に影響することがあるため、日程は早めに葬儀社へ相談してください。プランのドライアイスは2日分です。
- 副葬品に制限がある:プラスチック製品、ガラス製品、金属製品、カーボン類、スプレー、ライター、電池、缶類、布団、書籍、果物、ドライアイスなどは、遺骨や火葬炉を傷めるおそれがあるため、棺に入れることができません。
- ペースメーカー:ご遺体にペースメーカーが入っている場合は、火葬の申込み時に斎場へ伝える必要があります。わかった時点で、早めに葬儀社へお知らせください。
- 親族や菩提寺への事前の相談:直葬は、ほかの葬儀より、お別れの時間が短くなります。納骨を予定しているお寺(菩提寺)がある場合や、親族が参列を希望する場合は、事前に相談しておくと、あとのトラブルを防げます。
- 車での参列は乗り合わせで:市立斎場は駐車場が混み合うため、車はできるだけ乗り合わせで来場しましょう。小林斎場は、駐車できる車が2台まで(マイクロバスを含む)に制限されています(葬祭事業者・宗教関係者の車両は除く)。
直葬を依頼する葬儀社の選び方
直葬は内容が簡素な分、プランに何が含まれるかで総額が変わります。次の点を確認してみてください。
- 見積書に、火葬料が含まれているか
- 安置の日数と、超過した場合の追加費用
- 搬送の距離や時間帯による追加費用
- お別れの時間(面会)を設けられるか
- 24時間対応か
大阪葬儀では、問い合わせの電話が葬儀社に直接つながります。費用の目安や流れを、電話で確認できます。葬儀社一覧や大阪市エリアの公営斎場も、あわせてご覧ください。
よくある質問
直葬でも、ご遺体とお別れする時間は取れますか?
「面会あり直葬」のプランがあります。火葬の前に、ご遺体と対面する時間を設けたい場合に選ばれています。具体的な時間や人数は、葬儀社にご確認ください。
直葬の費用は、斎場によって違いますか?
違いません。火葬料は5つの市立斎場で共通です。式場を使わない直葬では、式場使用料の違いは関係しません。
大阪市外に住んでいても、市立斎場で直葬できますか?
使えます。市外の方は「その他の者」の料金区分となり、大人の火葬料は60,000円です。ただし、故人または斎場の使用者(申込者)のどちらかが大阪市内に住所があれば、市民料金(10,000円)が適用されます。
直葬のあと、納骨はどうすればよいですか?
火葬後に返却される、火葬済の証明印が押された火葬許可証が、納骨の際に必要です。お墓や納骨堂の管理者に、手続きを確認してください。
火葬までに何日かかりますか?
原則として死亡後24時間が経過しないと火葬はできません。それ以降の日程は、斎場の受入状況によって決まります。日程は、葬儀社に確認してもらいましょう。
まとめ
大阪市の直葬は、市民の大人であれば火葬料は10,000円です。葬儀社のプランを合わせた総額のめやすは、シンプル直葬で11万円〜16万円、面会あり直葬で16万円〜21万円です(火葬料がプランに含まれない場合)。
費用を抑えるには、火葬料が含まれているか、安置の日数、追加費用の条件を、見積の段階で確認することが大切です。直葬を考えている方は、無料相談をご活用ください。
※料金・手続きは、大阪市「市立斎場のご案内」(2026年4月1日掲載)、大阪市「死亡届」の案内(2026年4月1日掲載)、大阪市国民健康保険の葬祭費の案内(2026年8月31日掲載)、大阪市の後期高齢者医療の葬祭費の案内(2026年7月29日掲載)、大阪葬儀のプランページ(2026年10月時点で確認)をもとに作成しています。プランの価格は葬儀社からの見積時の参考価格です。改定される場合があるため、ご利用前に大阪市または葬儀社で最新の内容をご確認ください。









