「平均費用は？」葬儀費用を抑えるために把握したい9つのポイント

葬儀についての知識を早めに持っておきたい人は、「葬儀にはどのくらいの費用がかかるのか」「その内訳はどのようなものなのか」気になる場合が多くあります。

葬儀費用は、様々な費用がありますが、平均的な費用を把握しておくことで、予算の参考になります。さらに、葬儀費用を安く抑えるためにポイントを抑えておく必要があります。

そこで本記事では、葬儀費用を抑えるために把握したい9つのポイントや、必要な平均費用を紹介します。当社では、これまでに数多くの家族葬を担当しており、実際の事例を通じて、どのような葬儀が行われ、どのような費用がかかったのかをお伝えします。

大切な家族や自身のために、葬儀費用や節約のポイントを知っておくことは、心の安心にも繋がります。ぜひ、この機会に正しい知識を得て、予算や心に余裕を持って葬儀を進めてください。

葬儀にかかる平均費用

葬儀の費用は、葬儀の規模によって大きく異なるため、一律には言い切れません。しかし、一般的な葬儀費用の平均はおよそ150万円です。

今回は、葬儀の形式ごとに平均費用を紹介します。

	平均費用
大型葬	220万円～360万円 程度
一般葬	75万円～200万円 程度
家族葬	100万円 程度
一日葬	30万〜50万円 程度
直葬（火葬式）	10万〜20万円 程度

大型葬

一般葬は亡くなった人の関係者に広く通知し、参列してもらう式です。

そのため、亡くなった人の立場や交友関係によっては多くの参列者が集まることもあります。「大型葬」とは、特に多くの人が集まる一般葬をいいますが、明確な定義はありません。

ただ、参列者が200人を超えると大型葬とみなされる場合が多いです。

大型葬では、参列者が多くなる傾向にあり、式場使用料や会場装飾などで費用が高くなることがあります。

相場的には、約220万円から360万円です。

大型葬に関して、関連記事で詳しく紹介しています。

一般葬

家族葬というのは、家族だけで行われる葬儀を指すわけではありません。

明確な定義はないものの、通常は親族のみで行われる小規模な葬儀を指し、基本的な流れは一般的な葬儀と同じといえるでしょう。

また、家族葬と一般葬の違いは、費用の面で差があることです。家族葬は、一般葬に比べて参列者が少ないため、費用を抑えられることがよくあります。参列人数や葬儀の規模によって費用は異なりますが、おおよそ100万円前後が相場となります。

家族葬の費用相場と内訳や、大阪葬儀の家族葬のプランに関しては、関連記事により詳しく紹介しているので、参考にしてください。

一日葬

一日葬とは、葬儀を1日で済ませる形式です。通常、一日葬の費用は30万〜50万円程度で、短期間で済ませるため、経済的な面でも利点があります。

ただし、この費用には寺院の僧侶など宗教者への費用は含まれていません。宗教者へのお礼は別途必要となるケースがほとんどです。なお、宗派や地域あるいは戒名の有無や位によって、宗教者へのお礼の金額は異なります。

一日葬は、一般的に1から20人程度の参列者で行われる場合が多くあります。

直葬（火葬式）

直葬は、亡くなった方の遺体を直接火葬する形式の葬儀です。

葬儀式場を利用しないため、費用を抑えられる点がメリットといえます。参列者も少人数で、1人から10人程度で行われることが多く、費用を節約したい方にはおすすめです。

直葬（火葬式）は、面会を行うか行わないかによって費用が変わってきます。

大阪葬儀でも、シンプルな直葬（火葬式）の場合、10万円から15万円かかります。面会をする場合は、15万円から20万円です。

葬儀費用の内訳

葬儀にかかる費用の内訳は、次のように分類されます。

• 葬儀一式費用
• 飲食接待費
• お寺へのお礼

葬儀一式費用

葬祭用具	サービス
火葬場や式場の使用料 位牌や塔婆料 遺影の手配料 保冷剤 など	納棺･通夜･告別式進行の人件費 駐車場警備の人件費 など

表：葬儀一式費用の内訳

葬儀一式の費用には、葬儀の会場や棺の費用、葬儀車の手配料などが含まれます。

これらの費用は、「葬祭用具の費用」と「サービスの費用」という2つに分けられます。葬祭用具の費用には、火葬場や式場の使用料、位牌や塔婆、遺影などが含まれます。

一方、サービスの費用には、納棺や通夜、告別式の進行や駐車場の警備にかかる人件費が含まれます。葬儀の規模が大きくなればなるほど、これらの費用も増える傾向があります。

葬儀のスタッフや運転手に心づけを渡すこともあります。

しかし、心づけを渡すかどうか迷う人も多いでしょう。心づけを渡す習慣は古くからありますが、現在では必要とされていない場合もあります。

心づけに関しては、関連記事で詳しく解説していますので、気になる方は参考にしてください。

飲食接待費

飲食接待費とは、葬儀の参列者に提供される飲食物や接待にかかる費用で、以下のようなものが該当します。

• 通夜振る舞い
• 精進落しの飲食費用
• 飲み物代 など

通夜後の通夜振る舞いも提供する食事の数が多ければ多いほど、費用がかかってしまいます。また、地域によって大きく変動することもあります。

関西では通夜の後の食事はご遺族や親戚だけで行われることが多いため、費用は比較的低くなる傾向にあります。また、遠くから通夜や告別式に参列する人の宿泊費も飲食接待費に含まれます。

返礼品費

飲食接待費と同様、返礼品費も参列者の人数によって、大きく費用が変わってきます。
以下のような費用をいいます。

• 会葬者への返礼品
• 香典返し

会葬者への返礼品は、1人当たり600円程度かかる場合が多くあります。また、香典返しは、いただいた香典の金額によって変わってきます。

これまでの香典返しのルールは、関西では3分の1返し、関東では半返しとされてきました。しかし最近では、全国から葬儀・告別式に参列する人々が増え、単純に東西で金額を決めることが難しくなりました。

そのため、基本的には半返しと考えておくのが良いでしょう。

香典返しに関しても、関連記事で詳しく紹介しているので、気になった方は確認してください。

お寺へのお礼

お寺へのお礼には、お布施や故人の戒名料・車代・御膳料などが含まれます。

これらの金額は厳密に決まっているわけではありませんが、一般的な相場が存在します。もし檀家であれば、謝礼の金額について直接住職に相談しても問題ありません。

金額が分からない場合は、確認してみることをおすすめします。

一例として、曹洞宗と臨済宗の場合の相場を紹介します。

	曹洞宗	臨済宗
お布施	20万円～60万円	15万円～50万円
戒名料	「信士・信女」号 30万円～ 「院居士・院大姉」号100万円～	「信士・信女」号 30万円～50万円 「院居士・院大姉」号100万円～
車代	5千円～1万円	5千円～1万円
御膳料	5千円～2万円	5千円～2万円

詳しい内容は、関連記事で紹介しています。また、お布施の封筒の書き方やお車代についても以下の記事を参考にしてください。

葬儀費用を安くおさえる9つのポイント

葬儀にかかる費用を安くおさえるためには、葬儀の規模や形式によってどのくらい抑えられるかを見極めなければなりません。

葬儀費用を安くおさえるためのポイントは、以下のように9つあります。

【葬儀費用を安くおさえる9つのポイント】

1. 葬儀の規模や形式を見直す
2. 飲食代や葬祭用品を再検討する
3. 複数の葬儀会社の見積もり比較をする
4. 香典を葬儀費用の一部にあてる
5. 葬儀保険に加入しておく
6. 僧侶手配サービスを利用する
7. 故人の遺産から支払いをする
8. 補助・扶助制度を利用する
9. どうしても払えない場合は葬儀ローンを利用する

①葬儀の規模や形式を見直す

葬儀の形式や規模によって、費用も大きく変わります。

まずは、費用を抑えるために葬儀の形式や規模を見直すことがポイントです。参列者数や規模が少ない場合は、料金もそれに比例して控えめになります。

葬儀にかかる費用は、以下の順番で安い傾向といえます。

1. 直葬・火葬式
2. 一日葬
3. 家族葬
4. 一般葬

また、故人の交友関係や年齢によっては、参列者数が少なく葬儀の規模を大きくする必要がない場合もあるでしょう。最近では、自分自身の葬儀を簡素にしたいと考える人も増えています。

故人の希望や交友関係も考慮しながら、葬儀の形式や規模を見直してみましょう。

②飲食代や葬祭用品を再検討する

葬儀費用は、飲食代や葬祭用品を再検討すると、抑えられる場合があります。

葬儀の形式によっては、参列者に通夜振舞いや精進落としといった食事を提供する機会があります。料理の内容はコースによって異なるため、予算を守りながら失礼のない範囲で料金をおさえることも可能です。

同様に、棺・祭壇・生花などの葬祭用品もグレードや種類によって料金が異なってきます。
飲食費や葬祭用品の再検討によって、品質や価格を考慮しながら項目を見直し、予算に合わせた節約ができます。

③複数の葬儀会社の見積もり比較をする

費用をできるだけ抑えて葬儀を行いたい場合は、複数の葬儀会社の見積もりを比較してみましょう。

葬儀会社によって費用が異なるため、複数の業者に問い合わせて相見積もりを取ることで、高すぎる見積もり金額がわかることもあります。費用の詳細を確認するためにも、相見積もりで内訳をしっかりと確認してください。

また、金額だけでなく、葬儀の内容にも注意しましょう。「セットプランには何が含まれているのか」「追加のオプションは本当に必要なのか」など、相談し納得することが重要といえます。

さらに、見積書を確認する際には、葬儀費用だけでなく、飲食や返礼品、お布施なども予算に含めて考えることも大切です。

故人が亡くなってから葬儀の準備をすると、比較検討に十分な時間を割くことが難しいかもしれません。そのため、事前に相見積もりを行っておくことで、葬儀会社を納得して選べます。

④香典を葬儀費用の一部にあてる

葬儀にかかる費用を軽減する方法の1つとして、香典の一部を使う場合があります。

お香典は故人の家族を支援する役割も担っており、参列者全員が故人を見送る手助けをすることにもつながります。いただく香典の金額は、参列者との関係や人数、地域の慣習によって異なります。

葬儀の形式や規模に応じて変動するため、一概にはいえませんが、一般的には葬儀費用の半分から3分の1程度を目安に考えていいでしょう。

⑤葬儀保険に加入しておく

葬儀保険は、自分が亡くなったときに葬儀の費用をカバーするための保険です。

生命保険の一種で、死亡保険や終活保険とも呼ばれています。各保険会社が様々なプランを提供しており、故人が事前に申し込むことが必要です。

保険の効力が発生するまでには時間がかかるため、故人が亡くなった後では対応できません。もし準備ができるのであれば、各保険会社のプランを確認し、加入しておくことをおすすめします。

⑥僧侶手配サービスを利用する

菩提寺がない場合、僧侶手配サービスを利用すると葬儀の費用を抑えられます。

日本では約9割の葬儀が仏式で行われているといわれています。宗派によって葬儀の形式は異なりますが、多くの人が読経や戒名・法名を希望しています。

これまでの伝統仏教では、菩提寺の住職から戒名・法名を授与してもらうものでした。通常、葬儀での読経や戒名授与は、先祖代々お世話になっている菩提寺の宗教者に依頼することが一般的です。

しかし、中には高額なお布施が必要であったり、菩提寺が存在しない場合もあります。

菩提寺や僧侶に不安を抱えている場合は、僧侶の手配サービスを利用することも1つの手段です。全国一律の料金で僧侶に依頼できるため、葬儀の寺院費用を節約できるかもしれません。

ただし、すでに菩提寺がある人が僧侶手配サービスを利用すると、菩提寺とトラブルになるケースもあるので、気を付けましょう。

⑦故人の遺産から支払いをする

多くの人々は、葬儀費用は喪主になった遺族が支払うものだと考えているかもしれませんが、実際には故人の遺産からも支払えます。

ただし、故人の遺産から葬儀費用を支払う際には、以下の点に注意が必要です。

• 故人の死亡が銀行などに通知されると、一定額以上の預金が凍結されてしまう可能性がある
• 遺産を葬儀費用にあてると相続放棄ができなくなる
• 遺産分割協議の前に遺産を使うと、相続人の間でトラブルの原因となる可能性がある

故人が財産を所有している場合、遺産相続が起こります。

相続税の支払い義務が生じる場合もありますが、その際には故人である被相続人の債務や葬儀にかかった費用は相続財産から差し引けます。これらの手続きに注意を払いつつ、故人の遺産から葬儀費用にあてられます。

詳しくは、関連記事で紹介していますので、気になった方は参考にしてください。

⑧補助・扶助制度を利用する

葬儀の費用を減らす方法として、補助・扶助制度を利用することを検討するのもいいかもしれません。具体的には、国民健康保険に加入していた場合、自治体から「葬祭費」として支給を受けられます。

例えば、大阪市国民健康保険に加入している場合、葬儀を行った人には5万円が支給されます。ただし、自治体によって支給金額は異なるので注意が必要です。

また、協会けんぽなどの社会健康保険に加入していた場合、「埋葬料」として5万円が支給されます。申請は社会保険事務所や健康保険組合に行います。ただし、この葬祭費や埋葬料は葬儀から2年間で申請しなければならないので注意が必要です。

また、直葬の場合、自治体によっては葬儀とみなされず、葬祭費が支給されない場合もありますので、考慮してください。

さらに、生活保護を受けている場合は、「葬祭扶助制度」を利用することが可能です。一般的には、最低限の葬儀費用が支給されるため、直葬を選ぶことになります。

葬祭扶助制度に関しては、関連記事で紹介しています。

⑨どうしても払えない場合は葬儀ローンを利用する

葬儀の費用は、急に必要になることがありますので、一括で支払いが困難な方も多いかもしれません。

葬儀には、予想外の時期に大きな金額が必要になるケースがあります。一般的には、葬儀が終わってから1週間から10日以内に支払いが求められます。一部の葬儀会社では、葬儀の依頼と同時に前金を支払う必要がある場合もありますので、注意が必要です。

もしどうしても支払いができない場合は、葬儀ローンを利用することも検討してください。

葬儀会社からは、そのような場合にローンの利用を勧められることもありますが、後々返済に困る可能性もあるため、葬儀ローンのメリットとデメリットを理解してから利用することが重要です。

関連記事に、葬儀ローンについて詳しく解説していますので、気になった人は、参考にしてください。

実際に当サイト紹介の葬儀社が担当した家族葬の実例

ここまで、葬儀にかかる費用について解説しましたが、実際に当サイトで紹介している葬儀社が担当した実例も紹介します。以下のプランで、総額68万4,198円となります。（※）

※こちらの金額に、宗教者へのお礼は入っていません

葬儀の詳細

利用プラン	家族葬プラン40
葬儀形態	家族葬
会葬者	親族15名様
宗教	仏教
式場	堺市立斎場

葬儀内容

追加費用

式場使用料	堺市立斎場第1大式場　通夜・葬儀 70,000円
宗教者お礼	菩提寺のため不明
西榮寺なかもず泰心館霊安室	安置4日 40,000円
当日（仕上げ料理）	15名様分 79,200円
ドライアイス追加	2日 22,000円
供花1対	親族一同　1対 32,998円

詳しくは、関連記事で紹介しています。

葬儀費用で事前に注意すべき3つのポイント

葬儀にかかる費用を抑えたい場合には、あらかじめ以下の点に気を付けましょう。

【葬儀費用で事前に注意すべきポイント】

• だれが負担するのか？
• 故人の預貯金から支払えるか？
• 生前に確認しておくべきことの把握

だれが負担するのか？

葬儀費用をだれが負担するかは、決まりがありません。しかし、葬儀費用の分担が兄弟間で問題になる場合があります。

兄弟間で揉める主な理由は次のとおりです。

• 葬儀費用は通常、喪主が支払うという判例があるため、誰が負担すべきかで意見が分かれる
• 相続できる財産がないのに支払わなければならない場合もある
• 亡くなる前に事前に取り決めをしておかなかったために揉める
• 葬儀費用は高額になりがちであるため、その負担に対して不公平感を抱くことも少なくない

親族間でも、葬儀費用に関する問題は起こる可能性があります。

実際に起きたトラブルとしては、勝手に喪主を務めた人が故人の子供に葬儀費用を請求したケースや、話し合いで各自の負担割合を決めたケースなどがあります。

兄弟間での費用負担においても、必ずしも長男や長女が全額を負担するわけではありません。年齢や収入、遺産相続の割合なども考慮し、親族間で納得のいく形で相談しましょう。

故人の預貯金から支払えるか？

故人の貯金を使って葬儀費用にあてられます。

新しく導入された「相続預貯金の仮払い制度」により、遺産の分割が行われる前でも故人の一部の貯金を引き出せるようになりました。ただし、引き出せる金額には上限がありますが、葬儀費用に合わせて払い戻しを受けられます。

ただし、故人の預金口座は凍結されているため、入出金手続きが必要です。

書類の準備には時間がかかる場合もあるため、すぐにお金を引き出すことはできないことも覚えておきましょう。

生前に確認しておくべきことの把握

家族や友人、大切な人とお別れする日は、誰にでも訪れるため、生前に確認しておくべきことの把握をしておきましょう。

残された人のために、事前に準備しておくべきことは何でしょうか。お金や相続の手続き・医療や介護・お葬式やお墓の手配・PCのデータ管理など、色々なことがあります。

特に相続に関することは重要です。

自分が認知症になるかもしれないことを考えて、事前に対策をすることで、生前に相続人に一定の財産を贈与し、相続税を軽減したり、遺言書を作成して親族間の相続トラブルを回避できます。

詳しくは、関連記事で解説しているので、生前に確認するべき内容を把握したい人は参考にしてください。

まとめ

葬儀についての知識を早めに持っておきたい方にとって、葬儀費用の把握は重要なポイントです。

平均的な費用を把握することで、予算の参考になるだけでなく、節約のポイントも押さえられます。当社では、多くの事例を通じて得た実際の知識を提供しており、家族や自身のために正しい知識を得て葬儀を進められます。